Previous Image
Next Image

info heading

info content


ヘッドライン



『シュガーレス2』感想

ストーリー的には九島の四強と呼ばれるようになる、岳、丸母、白、卜部の四人が出会い闘う話。次いで丸母の過去編スタートまで。

それぞれの主張をポエムチックぶつけ合いながら、ボロボロになるまで殴り合うというシュガーレスの喧嘩システムみたいなものを確立したのはこの二巻だろうなと思います。
この巻は特に見どころが多いので解説を分けます。

・岳の回想
主人公らしく一番最初に回想が入り、ここから終盤の十五巻まで全く回想が入らない我らが主人公。
とりあえず毎日ダルいけど、九島の風車に焦点あったから全力で掴みに行く。
本当に頂点を目指す理由は目が合ったという理由だけで、テッペンを手にして得るモノは満足感くらいしかない。だけど目標に向かって超全力。
犬思考誕生の瞬間です。

・岳VS白
自分に厳しく鍛錬に励み、恵まれない体格にも関わらず一年最強と呼び声の高い白。
その目的は九島最強のシャケを倒して見下ろすためとやや歪んでいますが、その思想はわかりやすくて力強く岳よりよっぽど共感されやすいので、白の方が主人公らしいとさえ思います。

一方の岳は鍛える努力自体を全否定です。そんなめんどくさいことをするわけがありません。だって犬だもの。
代わりに倒されたらその場で立ち上がり闘い続ける。
岳の持つ最大の特徴にして主人公補正といえるでしょう。
倒れても諦めず何度でも立ち上がって勝利を目指す。こう書くとまさに主人公の鏡みたいな感じですが、しょっちゅう負けるし決着かと思ったらガバっと突然起き上がり、完全に気絶するまで闘うことをやめない。むしろゾンビ属性です。

白はそんな岳に向け、
「努力もせずに取れる頂点に価値なんて無いだろ」
と完全にそれ主人公ポジションだよという発言を投げつけますが、どんな強敵でも臆せず限界まで挑み続けることを諦めない姿勢こそ、岳にとっての努力そのものなのでしょう。

・丸母VS卜部(ヒュドラ)
数の力で九島の頂点を目指す卜部に、一人の力を信じて闘うマリモもとい丸母。
マリモもかつてはチームでつるんでわいわいやっていましたが、シャケというたった一人によって全滅。
それ以後マリモは数ではなく一人が持つ力の可能性を信じるようになりました。

卜部は卜部で、かつては一人で闘っていましたが、数の力によって負けて以来、ヒュドラを作り数の力を信奉するように。
とはいえ卜部は別にヒュドラのリーダーとなって楽していたわけではなく、常に自分の力を部下に示し続けて、二十人を超える軍団を指揮していました。
そもそも不良漫画において数の多い少ないは別にしても、どこのチームに属さない主人公というのはかなり特殊です。
一巻のレビューでも書きましたが、基本的に不良モノは社会のはみ出し者が、自分と同じ境遇の仲間を得てつるみ、外道な行為を働く他の不良達と喧嘩するというパターンが主流になっています。
学校の頂点に立つことを目的とした話でも、学校最強の不良を筆頭とするチームに、頂点を狙う主人公にシンパシーや憧れを感じ集ったチームが抗争という名の喧嘩で決着を付ける。
言い換えるなら『チーム=友情・絆』の象徴として描かれることの多いのが、不良漫画における特徴の一つと言えるでしょう。
卜部は別にチームをまとめるため恐怖政治を敷いているわけでもなく、部下にも高い信頼を勝ち得ているようです。
つまり、卜部のやっていることは他の不良漫画なら主人公ポジションにもなり得ることだと思います。
戦闘において数の優位性を作るのは、戦術の基本であり理にかなってますしね。
実際、シュガーレスがチャンピオンで連載していた頃、不良漫画の金字塔とも言えるクローズ作品の派生が、思い切り大人数で乱闘してました。お隣の人気不良漫画全否定だよ!
こういう不良漫画のメタファーを無視してでも、『一人で闘う強さ』を描くシュガーレスの在り方が、この作品独特の熱さと魅力を生み出しているのだと思っています。

最終的に卜部は部下を失いつつも最後は一対一でマリモを追い込みますが、ずっと一人で闘う意志を忘れていたがためにマリモを沈めることができず、逆転負けを喫しました。
その後卜部はヒュドラを解散し、再び一人の力だけで九島の頂点を目指すようになります。

ついでに、書き下ろしのおまけ漫画で、ヒラオリがネタキャラの頭角を表すのもここからです。

[カテゴリ単位の記事]

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ