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異世界居酒屋「のぶ」 二杯目 の感想と考察

おかわりです。二杯目です。

まさか邪神転生の五巻よりこっちが先に出るとは思いませんでした。

感想前にめっさ個人的な話ですが、うちのサイトは前回の感想書いた時にTwitterにも自動で告知ツイートされる仕様になっています。
そこで何故か即蝉さんと挿絵担当の様にダブルでリツイートしてもらえていて、次の日のTwitterからのアクセスが前回の感想だけで通常の10倍以上になるという珍事が起きていました。
作者本人の宣伝力はかくも恐ろしいものか……!

そんなわけで完全に予想外の一撃が入ったことに戦々恐々としつつ今回の感想です。

まず二巻では、新たなお客達やそこから常連さんになる者が現れます。

一巻からの流れではありますが、最初は酒と食べ物が美味しくそれなりにリーズナブルな店というクチコミから、ちょっとずつ人が入ってくるようになりました。
そうして途中まではこの世界では難しいとされる調理やそもそも存在しない料理を出して、お客を驚かせていく話がメインでした。

一番最初の生ビール、続く若鶏の唐揚げや、湯豆腐の話などがわかりやすいでしょう。

そうして話が進むにつれキャラクターが増えていき、彼らの多くは常連客になっていきます。
ある程度キャラクターが増えてくると、ただ新しい料理に驚くだけでなく一人ひとりの人物像が掘りさせげられていく展開が増えていくのです。

これは純粋に料理を食べた反応だけでストーリーを展開させ続けるだけだと、物語の構成がワンパターンになるため。
同時に日本の料理が少しずつ町に浸透してきて新鮮味が薄れるというのもあるでしょう。

その代わり店には常連が増えていき、彼らの人物像や生活、そこから産まれる人間関係が居酒屋のぶの中で描かれていきます。
これにより物語に登場人物の個性と深みを作り、話に幅を持たせることに成功しました。
ここが他のグルメ作品との大きな違いであり、居酒屋のぶが居酒屋である最大の強みでもあります。

で、二巻になると当然新キャラクターが投入されますが、ここで前巻には無かった幾つかの要素が入ります。
まず客という立場からの転換。
これは最初からずっといる常連の一人ハンス。
そして傭兵として現れて、二巻の最後にちゃっかりとヘルミーナと入れ替わりに店員交渉中であるリオンティーヌの二人です。

これまで店員として話に華を添えてきたエーファとヘルミーナの二人は最初から店員になる流れで登場していますからね。
純然に客として入った後で店員になったの(片方予定)は、この二人が初めてとなります。

何か大きなイベントがあったわけでもなくすぽっと店員に収まったあたり『相棒』のキャスト入替えっぽくもありますが、日常的な場面を描く居酒屋のぶらしいですね。

そして、こちらの方が個人的には重要なのですが、店員であり大将のぶの成長が描かれたことです。
前巻でも番外編とラストでしか『転移者』である日本人二人の過去はほとんど掘り下げられることはありませんでした。

今回ののぶは日本料理というアドバンテージに頼らない、一人の板前としての成長です。
そして新たな一歩を踏み出した彼には、弟子という存在も増えたため三巻では師匠としての在り方も問われていくことでしょう。

今巻でのぶの料理の進歩が描かれたということは、当然もう一人の『のぶ』であるしのぶの成長も今後描かれていくことを意味します。

彼女は元々料亭の娘からの家出という結構微妙な立ち位置ですから、ここは話の転びようによっては当然、料亭と和解し『戻る』という選択肢も出てきます。
ここら辺は想像してもキリがない部分ですが、のぶが純粋に板前として一級品になることと、しのぶが接客面から発展して何者かになるということ。
この二つって実は結構違うんだというのは大きいと思います。ていうか場合によっては物語終わりかねん。

後は、前巻だと番外編くらいでしか触れられていなかった霊的な話もちょくちょく増えてきましたね。
まぁこの設定自体はあまり居酒屋のぶと直接関係してくるような話はなく、魔女という要素に色を加える感じだったので、この話題が後でどう響くかは今の段階じゃわかりません。

で、長々と展開の話をしたのにはもう一つ理由があります。
居酒屋のぶは日常を描く異世界モノではレアケースの物語です。そして、このジャンルには明確な終わりというものが存在しません。

居酒屋経営の話ですから、魔王を倒すとか王になるとかそういうゴール設定が存在しないのです。
例えば一巻のラストであのまま物語が完結していてもそれはそれで綺麗な締め方で、流れとしての違和感はありませんでした。

逆説的に言えば、いずれどこかで終わりどころを定める必要があるということ。
加えて終わりまで読者を飽きさせない手法をねり続けることが、他の異世界冒険ものよりも難しい課題であると思います。

この作品に限った話ではなく、日常モノ自体長く続けるには難しいジャンルですからね。

特に居酒屋のぶは、異世界という設定を除けば居酒屋としてごく真っ当な経営とそこで生まれる団欒が売りです。
逆に一人いるだけで物語に強い影響を与えて、全体の流れを引っ張っていくようなアクの強いキャラは出しにくい。
邪神転生から見ても、どちらかと言うと蝉さんは外連味の強いキャラより地に足ついた人物像を作る方が得意なように感じますし。

そのためか二巻では一巻から更に登場人物毎の心情や関係性を深めた王道的な進展だったと思います。
だからこそ、三巻ではゴールのない異世界日常モノというジャンルでどう先の展望を見せてくれるのかが、私的には今後一番の楽しみです。

……最後の一行を書くためにすげぇ回り道した気がする。

ちなみに、前回書くよーと言ってた文章技術的な話ですが、よく考えたらこれ物書き以外に需要ほとんどなくね?
ってことに気付いたので、蝉さんに直接感想書きにいく時に出そうという結論に至りました(実は一度も直接感想書いてないことに今更気付いた)。

それにしても、前回からストーリー中身の魅力をほとんど語ることなく、ひたすら外周の話ばかりしてる私は何なのだろうか。

いや、中身もちゃんと笑いあり涙なし時々感動でありですごく面白いですよ!
挿絵や表紙も温かみのある様の絵が内容にもすごくマッチしていてるから、手を取る人が増えて速攻増刷の一因に繋がったのだろうと思っています。

そんなこんなで続きが非常に楽しみな作品です。

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